社会・文化

地震発生から36時間後、シリアのがれき下から幼い姉妹が救出され、地元住民から大歓声!

地震発生から36時間後の救出

トルコ南東部を震源に、シリア北西部にかけて2月6日未明(現地時間)に発生した大地震。

今も取り残された人は多く、必死の救出作業が続けられている。

被災地では厳しい寒さが続き、時間の経過とともに生存者が助かる確率が下がることが心配されている中、地震による甚大な被害を受けたシリア北部の村では、倒壊した自宅のがれきの下敷きになっていた幼い姉妹が無事救出された。

地震発生から36時間後に姉妹が発見されたとき、姉のマリアムちゃんが、ベッドの残骸のと見られる上に横たわる妹イラアフちゃんの髪をなでながら、顔を覆って粉塵から必死に守っていたという。

映像では、がれきの下にいるマリアムちゃんが救助隊員に

「ここから出して。何でもしますから」

「あなたの召使になります」

と小声で必死に訴える様子が残されている。

救助隊員は「いいんだ、いいんだ」と答えた。

その後、姉妹が毛布にくるまれて救出されると、見守っていた地元の住民らが大きな歓声を上げて喜んだ。

姉妹は病院で手当てを受けているという。

地震発生時、姉妹の両親と姉妹を含む3人の子ども達は就寝中。

最初に地震に気づいたのは、父親ムスタファ・ズヒル・サエドさん。

サエドさんによると、「地面が揺れるのを感じて、頭上からがれきが降ってきた。

がれきの中に2日間、閉じ込められた」という。

サエドさん一家は誰かに見つけてもらおうと、イスラム教の聖典「コーラン」を大声で唱えながら、祈りを捧げていた。

その声が届き、全員が救出されたのだ。

「ここから出して。何でもしますから」救出され、歓声があがった
「ここから出して。何でもしますから」救出され、歓声があがった

たくさんの子ども達も犠牲に

地震が発生したのは、多くの人が寝静まった午前4時過ぎのこと。

マグニチュード7以上の壊滅的な地震2回と、数10回もの余震の影響で今も危険にさらされている人々は数千人。

志望者の数は2,300人以上で、今後も増加することが予想されている倒壊した家屋も数千軒と見られ、捜索と救助に全力をあげている状況だ。

救出された姉妹と同じように、多くの子ども達が犠牲になっており、ユニセフ(国連児童基金)のキャサリン・ラッセル事務長は、「シリアとトルコから届く数々の報告は、心を痛めるものばかり」と話す。

「多くの子ども達が眠っている時間に最初の地震が起きたことが、より危険な状況を作り出した。

続く余震の影響で、継続的な危険をもたらしている。

私達の思いは、被災した子ども達や家族、特に大切な人を亡くした子ども達や負傷した子ども達と共にある」と話すキャサリン事務長。

ユニセフでは、被災した子ども達や家族が切実に必要としている支援を受けられるようにすることを、当面の最優先事項としている。

ユニセフと政府、災害緊急事態対策庁(AFAD)が協力し、より広い人道支援活動を開始するため、調整を行っている。

地震の影響を特定し、各パートナーとの連携を図りながら、人道支援活動のサポートに向けた準備も進められている。

シリアの子ども達は悪化する経済危機や10年以上にわたる紛争による敵対行為、多数の難民や避難民、荒廃化した公共インフラなどの影響で、食料不安、水資源の不足など深刻な状況下に置かれている。

そのうえ、地震の影響で学校などの教育施設や医療機関が損壊した可能性もあり、さらなる状況の悪化に直面することが懸念されている。

父が作った空き缶の義足で難民キャンプを歩く少女
父が作った空き缶の義足で難民キャンプを歩く少女

多くの支援が必要とされている

専門家によると、今回の地震の揺れを起こすエネルギーは世界最大級で、阪神淡路大震災や熊本地震の10倍とも言われている。

トルコは日本と同じく地震が起こりやすい国で、地中の岩盤であるプレートとプレートがひしめき合っているという。

今回の地震では、南側にあるプレートが北の方向に移動し、北側のプレートと水平にぶつかったことでこすれ合い、境目の断層が100キロ近くにわたり破壊されたと見られている。

また、建物が弱いため、完全に倒壊した建物も膨大な数に上っている。

そして今、SNSによるデマ映像が拡散され、混乱が生じている。

Twitterには、トルコの原子力発電所が爆発したとされる映像が出回っているが、トルコに稼働中の原発はない。

津波が起きたとされる映像も流れているが、この映像は6年前の映像だということもわかっている。

東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の感染拡大当初のように、こうしたデマが拡散されやすい状況にも注意が必要だ。

もちろん、SNSやインターネットに流れている映像や画像がすべてデマというわけではない。

本来の被害を伝える映像も流れているため、悲惨な映像に心を痛めている人は多いだろう。

東日本大震災のときに海外から1,000億円を超える支援金が届いたように、寄付をすることがまず私達にできる支援。

前述したユニセフや国境なき医師団などで寄付を受け付けており、インターネットでも簡単に寄付をすることができる。

1人の金額はわずかでも、多くの人が寄付をすることで大きな力となる。私たち日本人にとって、地震による被害は他人ごとではない。

【募金先】

ユニセフ

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/disaster/2010.htm

国境なき医師団

https://www.msf.or.jp/news/press/detail/tursyr20230207my.html

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