天皇ご一家、ご即位5年とご成婚30年記念の特別展をご鑑賞。愛子さまがプロポーズの再現をねだる
当時話題となったプロポーズの言葉
天皇陛下のご即位5年とご成婚30年を記念した特別展『新しい時代とともに―天皇口語両陛下の歩み』が、東京都日本橋高島屋にて2023年5月17日から開催されている。
約200年ぶりに譲位により時代が令和となり、早いもので5年が経過した。
そして、今年は天皇皇后両陛下のご成婚から30年となる年でもあることを祝い、約150点の写真や約100点の両陛下のゆかりの品などが6月6日まで展示されている。
5月30日には、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまが会場となる高島屋を訪れ、特別展を鑑賞された。
高島屋の営業終了後、3人仲良くお揃いの水色を基調とした装いで来場されたご一家。
30年前の“結婚の儀”後に行われたパレードで使用された、ロールス・ロイス社製で、菊の紋をあしらった特別仕様のオープンカーや当時の映像などをご覧になり、陛下は「非常に懐かしい気持ちになりました」と懐かしそうに目を細められていた。
“結婚の儀”の5カ月前に行われた婚約内定会見で皇后さまが着用されたレモン・イエローのワンピースや、パレードで着用された襟元に大きなバラがデザインされたローブ・デコルテも展示されている。
皇后さまは当時の写真や映像を懐かしそうにご覧になりながら、「ちょっと恥ずかしいような…」とはにかむ様子を見せていた。
婚約会見のワンピースの前では、肩の部分が膨らんでいるデザインについて皇后さまが愛子さまに「この時代は、こういう感じだった」と解説されていたという。
ご結婚当時、陛下が皇后さまに「雅子さんのことは、僕が一生全力でお守りしますから」とプロポーズしたことが婚約会見で明かされ話題になった。
この日ご一家を案内していた担当者が「プロポーズの言葉を覚えています」と話すと、愛子さまが陛下に「再現!(してみて)」とリクエストする微笑ましい場面もあったという。
苦笑した陛下は再現こそされなかったが、ご家族仲良く鑑賞を楽しまれていた。
当初は50分ほど鑑賞される予定だったが、鑑賞は1時間半にわたった。

貴重な品の数々
特別展には、そのほかにも数多くの貴重な品が展示されている。
陛下が小学校時代にお使いになられていたランドセルも展示されているが、このランドセルは上皇陛下がお使いになられていたものをお譲りいただいたものだという。
ほかには陛下が成年式を迎えられた記念の扇面形梓文ボンボニエールや結婚式でお召しになった燕尾服、英国オックスフォード大学名誉法学博士授与式で着用されたローブと帽子、ご成婚の際に当時の英国エリザベス2世女王陛下とフィリップ王妃殿下から送られた銀製の小箱などもある。
愛子さまのものとしては、誕生された際に上皇上皇后両陛下より贈られた犬張子や、5歳を迎えた2006年に行われた“着袴(ちゃっこ)の儀”でお召しになられたた童形服などが展示されている。

愛子さまの卒業後の進路に集まる注目
2001年12月1日に誕生された愛子さまは、今年の誕生日を迎えると22歳。
2021年4月に学習院大学文学部日本語日本文学科に入学されたが、コロナ禍で大学へ思うように通うことが叶わずリモートで授業を受けておられた。
4年生となったこの春からはようやくキャンパスライフを満喫されている。
今年4月12日、学習院大学に初めて通学されたときには「大学最後の1年間、この緑豊かなキャンパスでよい学びができましたらと思っております」と、嬉しそうに語っておられた。
4年生になられた愛子さまの大学卒業後の進路が注目されているが、就職をされずに大学院に進まれるのではないかという見方が多い。
大学院に進まれて、陛下やほかの皇族の方々と同じように海外留学を経験されるのではないかと見られている。
天皇皇后両陛下は、留学先の英オックスフォード大学で結ばれたことから、愛子さまの留学先としてオックスフォード大学が有力視されている。
陛下が留学されたのは1983〜1985年のこと。
1993年には、留学されていた2年間の様子を綴った『テムズとともに 英国の二年間』という著書を出版。
留学中は寄宿舎で一人暮らしを経験された陛下は、身の回りのことをご自身でこなしながら、大学の友人とパブに出かけるなど青春を満喫していた。
2023年4月に同著書が復刊された際に陛下が新たに寄せたあとがきには、
「今、改めて本書をひもとくと、オックスフォード大学で過ごした二年間の様々な出来事がありありと、また、無性に懐かしく思い出される。
遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子さまとともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている」と綴られている。
両親の思い入れがあるオックスフォード大学に留学されるかどうかはわからないが、大学卒業後の愛子さまの進路には大きな注目と期待が集まっている。
しかし、その一方で療養中の皇后さまの体調を心配する声もある。
コロナが落ち着き、公務で元気なお姿を見せている皇后さまだが、かけがえのない娘である愛子さまが留学されて離れ離れになると心の支えが亡くなり、体調にも差し支えるのではないかと考える人がいるのだ。
特別展でのご家族仲がよい様子に癒された国民は多くいるので、まずは愛子さまにとって大学生活最後の1年を、ご家族それぞれ充実した毎日となることを願うばかりだ。
