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新潟の伊藤涼太郎がベルギーへ移籍 シントトロイデン加入

 サッカーのJ1アルビレックス新潟は6月5日、MF伊藤涼太郎(25)がベルギー1部のシントトロイデンに完全移籍することでクラブ間で基本合意したと発表した。

メディカルチェックを経て、正式契約を結ぶ。

伊藤は「自分の活躍を皆さんに届けられるように努力を続けていきます」とコメントしている。

今季16試合7ゴールの活躍でオファー

 伊藤は今季のJ1で16試合に出場し、7ゴールを決めている。

6月4日時点の得点ランキングは8位タイ。

この活躍が認められ、ベルギーからオファーが届いた。

 シントトロイデンは日本のDMMグループが経営権を持っており、日本人選手の欧州への登竜門的なクラブとなっている。

2022-23シーズンは日本代表GKシュミット・ダニエルや元日本代表のFW岡崎慎司、東京オリンピック日本代表のFW林大地、DF橋岡大樹らがプレーし、現在はセレッソ大阪の香川真司も途中まで在籍していた。

 過去には日本代表の冨安健洋(アーセナル)や遠藤航(シュツットガルト)、フランクフルトからACミランへ来季から移籍する鎌田大地らも所属。

伊東純也(スタッドランス)もベルギーのヘンクでプレーし、さらにレベルの高いリーグへステップアップしていった。

 ベルギーで結果を残せずJリーグに戻った選手もいるが、伊藤も高いレベルを目指して海を渡る。

レンタル移籍繰り返したがチャンスつかむ

 伊藤は1998年生まれの大阪市出身。

セレッソ大阪U-15から岡山県の作陽高校に進学。

高校3年の時にJ1浦和レッズの練習に参加し、当時のミハイロ・ペトロヴィッチ監督から「今まで来た練習生の中で一番良かった」と評価を受けた。

 浦和からスカウトされて2016年に入団。

1年目ですぐにリーグ戦出場を果たしたものの、その後は出場機会がなく、2017年9月にJ2の水戸ホーリーホックへ育成型期限付き移籍。

2018年は水戸で34試合出場、9得点と活躍した。

 2019年はJ1に昇格した大分トリニータに期限付き移籍。

しかし、大分では定位置をつかめず、リーグ戦の出場は4試合にとどまり、2020年は浦和に復帰した。

ただ、浦和でも出場機会が少なく、2021年7月にJ2水戸へ再び育成型期限付き移籍。

半年で20試合4得点とまずまずの結果を残した。

 2022年からはJ2だった新潟に完全移籍。

浦和からレンタル移籍を繰り返していたが、新潟で勝負することを決意した。

2022年は42試合に出場し、9得点。

新潟のJ2優勝と5年ぶりのJ1復帰の原動力となった。

 伊藤はトップ下やシャドーストライカーが本職。

狭いエリアでのプレーやキレのあるドリブル、ラストパスは香川真司にプレースタイルが似ている部分がある。

 4月15日のアビスパ福岡戦では、後半のアディショナルタイムに2得点を決めるなど、プロでは自身初のハットトリックを記録してチームの逆転勝利に貢献。

得点力に磨きがかかってきたことは伊藤の強みとなりつつある。

 伊藤は「過去の自分は、J1の舞台でなかなか活躍できずにいました。

そんな自分を新潟は迎え入れてくれて、出場機会をいただけたからこそ、海外クラブからのオファーが現実のものとなったと、感謝してもしきれない気持ちです。

今季はタイトルを獲ると言い続けたにもかかわらず、シーズン途中で移籍することを申し訳なく思う気持ちも強いのですが、この目標はチームメイトを信じて託して、海外で挑戦してきたいと思います」とコメントした。

ベルギーメディアは「日本の魔術師」 

 伊藤の移籍について、ベルギーメディアは「シントトロイデンは伊藤涼太郎を獲得し、補強に成功した。伊藤は今季16試合で7ゴール、4アシストを記録していて、日本では魔術師の異名を持っている」と紹介している。

 シントトロイデンは2022-23シーズンは18クラブ中12位と振るわなかっただけに、伊藤が起爆剤となることが期待される。

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