岸田総理が「節電ポイント付与」で国民に節電の協力要請
岸田総理が節電した家庭や企業を優遇する新しい制度を発表した。
昨今、食品や日用品・電気料金など次々に値上げが行われ、家庭は大きなダメージを受けている。
それに伴い政府は、この物価高騰対策について話し合う「物価・賃金・生活総合対策本部」の初回会合を開催した。
会合で岸田総理は、電気料金の高騰対策として、節電に応じた家庭や企業に、電力会社のアプリを通じて「幅広く利用できるポイント」を付与する方針を示した。
事業者においては、さらに節電を行った場合、電力会社が節電分を買い取る制度を作ると明かしている。
この制度は、「参加した事業者の実質的な電気代の負担を減らす」のが目的のようだ。
電気料金の対策以外にも、食料品の高騰対策として農産品全般の生産コスト1割削減を目指すと発表。
具体的な対策としては、肥料などのコスト支援・新しい支援金の仕組みを作るといった内容だ。
また、これから夏を迎え、旅行を考えている人も増えることへの対策も考えているという。
コロナの感染状況を踏まえたうえで、早ければ7月上旬から「全国旅行支援」を起動していくと表明。
他にも食品原材料である小麦粉等の価格高騰支援・生活困窮者に対する支援・継続的な賃上げなどに取り組んでいく姿勢を示している。

「もっと危機感をもって欲しい…」
岸田総理は、国民に現状の危機感を感じ、もっと真剣に節電について考えて欲しいと訴えている。
2022年度夏季・冬季の電力供給の見通しは厳しいようだ。
安定的に国民に電力を供給するには、最低限必要な予備率は3%だという。
10年に1度の猛暑を想定した需要に対して、現在はまだ3%を上回っているが、7月の東京・中部エリアは予備率が3.1%と非常にギリギリであることがわかっている。
そして冬には、東京をはじめとする九州までの7つのエリアで1月・2月の予備率がマイナスになる見通しだ。この数値は2012年以降、最も厳しい見通しであると語っていた。
そのため、再エネルギー・原子力等を最大限活用する取り組みを開始。
また電源募集の実施や小売電気事業者に対する供給力の確保を要請しているという。
しかし供給側の対策だけでは安定的な電力の供給は難しく、需要側へも節電への取り組みを積極的に進めてもらうため今回の「節電した家庭や企業を優遇する新しい制度」を発表したのだ。
例えば「使っていない部屋や廊下の電気は消す」「冷蔵庫に食品を詰め込みすぎず、設定温度を強から中に下げる」「店舗の証明を間引く」などできることから節電に協力して欲しいとした。
政府は国民にタイムリーに節電要請を行うよう、準備を進めているという。
電力需要のひっ迫が見込まれる場合には、前々日からかけて「電力ひっ迫準備情報」を発信して注意喚起や警告をおこない、タイムリーでわかりやすく国民に伝えていくとしている。

新しい制度に対する国民の声は。
今回の新しい制度の発表に国民からは厳しい声が挙がっている。
Twitter上では「ポイント制ではなく現金給付か税の還付にして欲しい」
「節電の対策も大切ですが、電力を安定的に供給するための具体策は?」
「世界3位の経済大国がする対策ではない」といった批判的な内容が多い。
実際にアプリを通じてポイントをもらうには、アプリの操作が必要だ。
アプリ政策の手間・高齢者への配慮やどうやって使うのかなど不明確な点が多く、受け入れがたいのも事実である。
実際に普段から節電している家庭では、それ以上の節電が要求される。
しかし今まで節電していなかった家庭では「使っていない部屋の電気を消す」だけでポイントがもらえてしまうのだ。
これまで真剣に取り組んできた人からしたら、不満がでても仕方ないといえる。

岸田総理の評判は…
岸田内閣は59%と高い支持率を誇っていた。内閣発足直後から49%と高い支持率を誇り、以後すべて50%以上を維持している。
この支持率にネット上では「何もしないのが支持率向上の理由なのか?」「なんで?とにかくなんで?」といった驚きの声が挙がっていた。
さらに「余計なことをせずに検討だけをしていることが結果、高支持率を維持できるのであればもしかしてものすごい策略家なのでは?」といった声も見受けられていた。
しかし今回の新制度発表により、岸田総理への支持率はさがりつつある。
岸田総理は6月のはじめに「デジタル田園都市国家構想」の基本指針を発表したばかりだ。この政策は、デジタル推進委員会を配置し、高齢者へのスマホやLNEの使い方を教えるための講習をひらくという。
デジタル化による地活性化を図る目的だ。しかし実際に高齢者へスマホを教える人員は無報酬だという。
2万人ほど配置すると発表したが、無給ボランティアがどこまで集まるか疑問のままだ。
この政策に対しても厳しい声が挙がっていた中での今回の発表。
参議院選挙を目前に控えた今回の発表は、岸田内閣にどのような影響をもたらすのだろうか。

