鈴木誠也が左脇腹に張り WBCは欠場濃厚
WBCワールドベースボールクラシック日本代表のカブス・鈴木誠也外野手が左脇腹の張りを訴えて25日のオープン戦の出場を回避した。
MRI(磁気共鳴画像法)検査をする予定で、3月に開催されるWBCには欠場する可能性が高くなった。

フリー打撃中に違和感
メジャーリーグのオープン戦でジャイアンツ戦に4番右翼で出場する予定だったが、試合前の打撃練習中に異変を感じてバッティングを中断した。
数日前からフリー打撃でもフルスイングする様子がなく、違和感があった模様。
他の選手よりも早めに練習を切り上げたり、試合形式の打撃練習「ライブBP」を回避するなど、全てのメニューはこなせないでいた。
WBCの出場に向けて例年よりも早くコンディションを仕上げる必要がある中、鈴木は自身の体の様子を見ながらカブスで調整を続けていたが、無理が響いてしまったようだ。
左脇腹は打撃でも非常に重要な部分で、一度違和感や痛みが出ると回復には数週間かかることもある。
カブスのロス監督は「今はより多くの情報を待っている段階。
WBCなどについては、コメントできない。
医師やトレーナーと話して、できるだけ早く決断する」と語った。
WBCで日本代表は3月9日に初戦を迎えるが、打線の中軸として期待されたメジャーリーガーを欠くことが濃厚となってしまった。

「神ってる」右打者のキーマン
現在の日本代表のメンバーで、外野手は鈴木、レッドソックスの吉田正尚、カージナルスのラーズ・ヌートバー、ソフトバンクの近藤健介と周東佑京の5人。
外野をメジャーリーガーで固めることが予想されていたが、鈴木が離脱するとなれば追加で選手を呼ぶことになる。
宮崎で行われている強化合宿では、巨人の岡本和真が外野の守備練習をするなど、アクシデントには備えていた。
しかし、鈴木の怪我は侍ジャパンにとっては大きな痛手だ。
鈴木は前回の2017年のWBCを経験しており、19年のプレミア12、21年の東京オリンピックでは4番を務めた。
栗山英樹監督は、左の強打者がヤクルトの村上宗隆やエンゼルスの大谷翔平、吉田と揃う中で、右と左を交互に並べるジグザグで打線を組みたい考えを語っており、右の鈴木は「打順はどこでも打てる」と監督がキーマンに挙げる選手だった。
鈴木は二松学舎大付属高校からドラフト2位で2013年に広島に入団。
1年目で一軍デビューを果たし、4年目の2016年から右翼のレギュラーに定着。
2試合連続でサヨナラ本塁打を放った鈴木を緒方孝市監督が「神ってる」と表現し、流行語にもなった。
2016年からは6年連続でベストナインに選ばれ、6年連続で25本以上の本塁打も記録。
2021年は打率.317で首位打者となり、最高出塁率.433のタイトルを獲得し、リーグ2位で自己最多の38本塁打を放った。
ポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦し、2022年からカブスと5年総額8500万ドル(約110億円)で契約。
開幕戦から先発出場を果たしたが、シーズン途中に左手薬指を痛めて離脱し、メジャー1年目は111試合で打率.262、104安打、14本塁打の成績だった。

同学年の大谷も連絡とり心配
鈴木の怪我の情報について、栗山監督は「心配している。
誠也に大事がないことだけをね。
大きなことになってなけりゃいいなと」と語る。
アメリカで調整を続ける大谷は、同学年の鈴木のことを心配して連絡をとったという。
「検査だと言っていたので、大事に至らないことをまず祈りたいです。
無理せず、シーズンも長いので、決断というか、尊重すべきじゃないかと思います」
ダルビッシュ有は「シーズンに間に合うという意味ではほっとした。
スプリングトレーニングの時はそういうのは多々ありますし、シーズンが一番大事な役割だと思うので」と語り、鈴木の怪我が大きなものではないことを示唆した。
