「シン・仮面ライダー」プロモーション映像公開 池松壮亮が本郷猛役
2023年3月公開予定の映画、「シン・仮面ライダー」のプロモーション映像が公開された。
本作は「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」などで知られる庵野により71年版の「仮面ライダー」第1話のオープニング映像を基に、「シン・仮面ライダー」版として撮影および制作された。
また、同作では主人公である仮面ライダー、本郷猛役を池松壮亮が演じる。
ヒロインの緑川ルリ子役は浜辺美波。
今回は、2023年に公開予定となっている「シン・仮面ライダー」だけでなく元祖、71年版の仮面ライダーについてもより楽しんでもらうために紹介していきたい。
本作はヒーローと怪人が闘う、SF怪奇アクションドラマであり、原作漫画では石森章太郎が担当し、少年向け雑誌として「週刊ぼくらマガジン」(現在の週刊少年マガジン)に連載された。
また、怪奇ドラマ的な演出やオートバイを使用し、ライダーキックを敵にお見舞いするなどダイナミックなアクションを繰り広げる格闘シーンがあり、子供たちの間で
「ライダーキック」が流行した。
主人公であるヒーローと敵との敵対関係、時系列や、独特な世界観によって作られる物語は、仮面ライダーシリーズと呼ばれることになった。
仮面ライダーの物語
物語自体は優秀な科学者であり、オートレーサーの大学生である主人公、本郷猛はある日、世界征服を目論む秘密結社、ショッカーに捕まってしまう。
ショッカーは知力体力に優れたあらゆる人間を改造手術とともに洗脳し、怪人を作り出すことで、様々な犯罪や破壊工作を行っている。
捕らえた本郷の能力に気づいた、ショッカーはアジトで1週間かけて本郷をバッタの能力を持つ改造人間にしてしまう。
しかし、脳改造をされる寸前で本郷はショッカーによって協力させられていた、緑川博士によって助けられアジトから脱出することに成功した。
その後、仮面ライダーとなった本郷は、次々とショッカーが放つ怪人たちと闘いを繰り広げていく。
ショッカーは仮面ライダー打倒のため、もう一度悪の仮面ライダーを作り出すべく、フリーカメラマンの一文字隼人を捕らえ、本郷と同じように改造人間にしてしまおうとするが、またしても一文字も脳改造直前に本郷に救出され、もう1人の仮面ライダーとして本郷と共闘していくことになる。
こうして2人の仮面ライダーはそれぞれ日本と海外に別れ、ショッカーの戦闘員たちと戦っていく。
そこには、普通の人間に戻れなくなってしまった悲しみと、自由と平和を取り戻すため、守るために多くの仲間たちと協力しながら戦い続ける。
本作誕生のきっかけや想い
こうして時代を超え、今もなお語り継がれるヒーローもの作品は当時、どのようにして誕生したのだろうか。
仮面ライダーが誕生した、1970年代にはメディア業界の中で人気の「タイガーマスク」からヒントを得ていると言われている。
当時、強くてカッコいいと人気が急騰していたタイガーマスクに着目し、マスクを仮面として被れば自分もヒーローになれ、悪を倒す強さを手に入れること、人々を守り、みんなから愛されるキャラ設定を目指していたとされている。
また、当時の日本ではイタイイタイ病などの公害問題が発生しており、環境庁が発足したばかりの状況の中、仮面ライダーによって環境を破壊する悪の組織から地球を守るというコンセプトが世間の注目を集めることができるとされ仮面ライダーシリーズが誕生するきっかけになった。
そして、仮面ライダーのモデルになったバッタは当時、自然を破壊する悪と戦うヒーローとしてふさわしいとされ、バッタは自然の象徴、バッタの能力を持った主人公が
自然破壊に立ち向かうことで、環境問題がさらに着目されるという考えもあった。
仮面ライダーベルトのバックルには風車の形をしたものがデザインされ、これも風力を表し風の力で悪を倒すパワーを獲得できるとして作られた。
実際、仮面ライダーはバッタのように力強く、高々とジャンプしそこから、ライダーキックを繰り広げ、敵を倒していく。
これもバッタの跳躍力と風の力を併せてできた必殺技である。
社会への影響
仮面ライダーによって、日本中に「変身ブーム」が沸き起こり、マスコミの注目を集めるようになった。
視聴率も第1話の放送で、関東では8%しかなかったものの、関西では20%を超え、さらにそこから視聴率を伸ばしていき、平均視聴率は関東では15%、関西で20%が記録されるようになった。
特に子供たちからの支持が高く、冒頭でも述べたように子供たちの間では「ライダーキック」が大流行した。
しかし、ライダーキックのマネをし大きな事故に繋がるケースも起こり、マイナスの面もみられた。
仮面ライダーのグッズ関連の売り上げも大きく、仮面ライダーカードや自転車、変身ベルトや人形など当時、過去最高のヒーローもののキャラクターになった。
当時の映画製作などの業界は斜陽産業となっており、予算管理もできておらず赤字体質だったが、仮面ライダーを機にキャラクタービジネスの足掛かりになっていった。