大谷翔平、米大リーグ史上初のダブル規定到達の快挙達成!
史上初! ダブルでの規定到達
米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平は10月5日(日本時間6日)、今季レギュラーシーズンの最終戦を迎え、敵地オークランドでのアスレチックス戦に投手兼3番指名打者(DH)として先発出場した。
試合では5回を投げ、1安打6奪三振1失点の力投を見せたが、9敗目を喫した(15勝)。
今季の通算投球回数は166回、規定投球回数は162をクリア。規定打席との“ダブル規定”に見事到達し、今季を締めくくった。
この記録は、1903年にワールドシリーズが始まって以来史上初の快挙。
打者として初回に右前打を放つなど4打数1安打で、今季の安打数は160を記録。
しかし、最終戦ではホームランは出ず、22試合連続でノーアーチとなった。打率は2割7分3厘で、95打点、34塁打という成績でシーズンを終えた。
“規定到達”とは、投手と打者それぞれの規程が定められており、その規定を達成する事。
投手の規定投球回の定義は、試合数×1イニング(162投球回)で、最優秀防御率のタイトルを獲得するために必要となる。
打者の規定打席は、チームの試合数×3.1(502打席)と定義されており、首位打者などのタイトル獲得のために必要となる。
たとえば1回無失点で防御率0.00の投手や、1打数1安打で打率1.000の打者などがタイトルを獲得してしまうような不公平な事態を避けるため、率にまつわる表彰項目の前提条件が定められたもの。
したがって、大谷選手がエンゼルスの主力選手として、レギュラーを外されたり、ケガにより離脱したりすることなく、試合に出場し続けたという証明となる素晴らしい記録。
しかも、投手と打者のダブルで達成した史上初の歴史に残る快挙である。
米大リーグ5年目となる大谷は、投手としての規定到達は初だが、打者としては2年連続となる。

試合後のインタビューで語ったこと
大谷は、試合後のインタビューに応じ、日米メディアの質問に答え、規定投球回に達したことについて「本来こだわりはないが、本当にやってみないとわからない。1つずつやっていくことに対し、2つやっている段階で既定に乗るかどうか、自分として目指す数字なのかはやってみないとわからなかったが、それがわかってよかった」と話した。
シーズン前には「昨シーズンの成績が基準になる」と話していたが、この結果が思っていた通りのものになったか問われると、思っていた通りになったと認め、「全体的にはよかったと思うが、今日で終わってしまうのは不本意でもある。ここからがスタートという感じでいければよいので、来年はそれを目指してやっていきたい」と語った。
投手、打者としての自己評価については、「(投手としては)毎試合、安定して投げることができたことが1番よかった。毎試合健康な状態でマウンドに上がることができるのが1番だと思うので、来年も継続してもっと成長できれば、さらによい成績が残せるかな」と答えた。
打者としては「シーズン前、打率の部分で3割近く打てるイメージで行こうと思っていた。その中で、ホームランがどのくらい打てるのかがチャレンジだった」と話し、「フェンスの手前で失速してしまう打球が目立っていた」と課題を述べた。

すさまじい経済効果と気になる来シーズン
まさに前人未到の大活躍を続けている大谷だが、その経済効果も計り知れない。
関西大学の宮本勝浩名誉教授は6日、大谷の活躍による2022年の経済効果が約457億941万円と推定されることを発表。
これは、米国と日本両国内での推計として経済効果を算出したもので、「1人のアスリートによる経済効果としては、空前絶後の金額だ」と話した。
たとえるなら阪神、巨人、ソフトバンクなどの日本の人気球団が、1チーム約70人で1シーズンかけて優勝したときと同等の経済効果を、たった1人で叩き出したことになる。
宮本教授はさらに「偉大な大谷選手と同じ時代に生きて、活躍が見られる幸運を喜びたい」とコメントした。
大谷は、昨シーズン投打の活躍が評価され、満票でMVPに選ばれた。
今シーズンは、年間62本塁打などの記録を持つヤンキースのジャッジとの一騎打ちとなることが予想されており、43億円超えの年俸は、米大リーグ3年以上6年未満の年俸調停権を持つ選手としては2019年のベッツ(当時レッドソックス所属)の約39億円を上回る年俸調停制度史上最高の金額。
大谷は試合後のインタビューで、「早い段階で球団とよい関係を築けてよかった。(年俸を)多くもらうからには活躍して当たり前なので、その分来年しっかり頑張りたい」と意気込みを話した。
8月に身売り検討を発表したエンゼルスは、売却の時期や新しいオーナーの方針などまだ不明な状態だが、契約延長や他球団へのトレードなど大谷の去就に大きな注目が集まっている。
エンゼルスとの契約延長については「来年の契約が決まっただけなので、それ以降に関してはまだ何も話していない」と明かした大谷。
エンゼルスの公式Twitterには、今シーズンの声援に対する選手達からのメッセージ動画が投稿され、「今年もありがとうございました」と深々とお辞儀をする大谷の姿が映し出されている。
史上初のダブル規定到達という偉業を達成し、日本人らしい礼儀正しい態度に注目度も好感度も増す一方である。

