大谷翔平が3年連続の「ベストMLB賞」 ESPN選出
アメリカのメジャーリーグ、エンゼルスの大谷翔平が米スポーツ専門局ESPNが選ぶ年間表彰「ESPY賞」で3年連続の「ベストMLBプレーヤー賞」に選出された。
ESPNが7月12日に発表した。
スポーツ界のアカデミー賞とも表現される賞で、3年連続の受賞は2002年〜04年に受賞したバリー・ボンズ外野手(ジャイアンツ)以来2人目で最長タイとなった。

104年ぶり二桁勝利、二桁本塁打を評価
ESPY賞(Excellence in Sports Performance Yearly Award)はESPN局の主催で1993年に始まった。
優秀な選手、チーム、指導者などを投票で選ぶ。
全てのスポーツの中での年間最優秀スポーツ選手と、各競技ごとの最優秀選手も選出する。
大谷は昨年は「最優秀男性アスリート賞」を受賞している。
今年のこの賞には2月にアメリカプロフットボールNFLの王者を決めるスーパーボウルで優勝したチーフスのQBマホームズが選ばれた。
「最優秀女性アスリート賞」はアルペンスキーのミカエラ・シフリンが受賞した。
MLB部門での最多受賞は、バリー・ボンズとアルバート・プホルス(カージナルス)がそれぞれ4度獲得しており、大谷は最多回数にもあと1に迫った。
今年の対象者は、昨シーズンに61年ぶりのリーグ新記録となった62本塁打を放ち、MVPに輝いたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)や、
35本塁打、115打点でナ・リーグMVPのゴールドシュミット(カージナルス)、
18勝、防御率1.75、185奪三振の投手三冠を39歳で達成しサイ・ヤング賞を獲得したバーランダー(昨季はアストロズで今季はメッツ所属)らがノミネートされていたが、彼らを抑えて大谷が選ばれた。
大谷は昨シーズンは「二桁勝利、二桁本塁打」のメジャーリーグではベーブ・ルース以来、104年ぶり史上2人目となる偉業を達成。
しかも、15勝、34本塁打で、ベーブ・ルースの13勝、11本塁打を大幅に上回り、今後数十年は破られないであろう大記録を打ち立てた。
2021年に続き2年連続MVPの可能性もあったが、本塁打で大記録を作ったジャッジが獲得し、大谷のMVPとはならなかった。
それでも、ESPNが評価したのは二刀流で活躍した大谷のプレー。
名実共にメジャーリーグの顔となっている。
オールスターでは「シアトルに来て」の大合唱
大谷は7月11日(日本時間12日)に行われたオールスターゲームにも3年連続3回目の出場。
アメリカンリーグの最多得票で選出され、指名打者だけでなく選手間投票で投手としても選ばれたが、右手中指の爪の損傷とマメの影響で投手としての出場は回避し、オールスターでの二刀流はならなかった。
2番・指名打者として出場した試合は、第1打席は空振り三振、第2打席は四球で初ホームランは来年以降に持ち越しとなったが、会場となったシアトルのファンを沸かせた。
シアトルは、マリナーズでイチロー氏が長くプレーした土地。
大谷が打席に入るたびにファンは「Come to Seattle(シアトルに来て)」という大合唱を送った。
今季終了後にエンゼルスとの契約が切れる大谷に対しては、どの球団のファンもうちに来て欲しいという思いは同じ。
このようなラブコールの経験があるかと問われた大谷は「ないですね。まあ聞こえてましたけど。打席は打席で、集中してました」と答えた。
大谷と同じ球団でプレーしたいのは選手も同様で、試合までに多くのスター選手が大谷のもとへ出向き、会話を交わしました。
ただ、移籍に向けて事前に選手を誘うのは「タンパリング」として禁止されているため、大谷も発言には慎重になる。
どの選手に誘われたかという質問に対しては「それは秘密。言われてても言えないですしね」とかわした。

三冠王も射程 MVPは有力候補
オールスターの中断前までは、大谷は投手として今季7勝、打者として32本塁打は両リーグトップで、71打点はリーグ2位、打率.302でリーグ6位と打撃は三冠王も狙える位置につけている。
2年ぶりのMVPも有力候補。後半戦も大谷の活躍から目が離せない。
