谷口容疑者 インドネシアから移送中の飛行機内で逮捕
10億円持続化給付金詐欺 詳細が明るみに!?
10億円近くの持続化給付金をだまし取った事件で、首謀者の谷口光弘容疑者(47)がインドネシアから移送中の機内で、日本の領域内に入った際に逮捕された。
捜査関係者によると、今回の逮捕容疑は、20年7月、東京都内の70代女性の代わりに虚偽の内容で給付金を申請し、現金約100万円を国からだまし取ったという疑いである。
谷口光弘容疑者は10億円近くの持続化給付金をだまし取ったとみられる詐欺グループの主犯格とされ、セミナーなどを開いて給付金の申請名義人を募り、家族らとともに計約1780件の不正申請に関わったとされている。
不正申請のうち、約960件で計約10億円の給付金が支払われたという。
今回の事件では、持続化給付金の詐欺容疑で今月19日に元妻と息子2人が再逮捕されている。

20年インドネシアへの逃亡
一部の申請が通らず名義人との間でトラブルになったなどとして、谷口容疑者は2020年10月にインドネシアに出国し、およそ1年8か月に及ぶ逃亡生活を送っていた。
同年12月に警視庁から詐欺容疑で指名手配されていたが、今月、インドネシアのスマトラ島にあるランプン州に潜んでいた所を現地の捜査当局に不法滞在容疑で拘束された。
在インドネシア日本大使館からの情報提供がきっかけだったという。
谷口容疑者が詐欺で得た10億円は、逃亡先のインドネシアで、投資に使われていたとされる。
インドネシアの西スマトラ州で、エビの養殖を始めるため、約2300万円を投資していたほか、魚の養殖が盛んなスリダディ村150平方メートルほどの池を七つ借り、ナマズの稚魚10万匹を養殖していた。

インドネシアから日本への移送の様子
谷口容疑者は22日にジャカルタから成田空港に移送されることが決まっていた。
勾留施設から現れた谷口容疑者は、黒のポロシャツにジャージに着替えていて、深刻な面持ちで目が充血して赤くなっているようにも見えた。
空港に待ち構えていた記者の問い掛けには何も答えず、他の乗客との接触を避けるため、大統領らが使うVIP専用の空港施設に連れていかれた。
そのVIP施設で10人ほどの入管職員らに囲まれながら、谷口容疑者は朝食を食べたり、着替えをしたりしながら1時間ほど過ごし、袋に入った荷物などを持って、成田行きの飛行機へと乗り込んだ。
飛行機へ向かう際には、「ご迷惑をおかけしました」と通訳に伝え、笑顔を見せるような場面も見られた。
22日午前9時40分ごろ、警視庁の捜査員らとインドネシアを出発した。
そして飛行機が日本の領空内に入ったのを確認し、警視庁の捜査員に逮捕されたという。
午後5時前に飛行機が成田空港に到着した際にはたくさんの報道陣が待ち構えていた。
谷口容疑者はこれから中央警察署に移送され取り調べを受ける予定だ。

新たな主犯格の逮捕者も!
22日、東京・六本木にある飲食店の元店長・太田浩一朗容疑者(34)が詐欺の容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、太田容疑者は、詐欺グループ急拡大のキーパーソンだということで、詳細を調べている。
関係者によると「飲食店の従業員で働いている人にしては、羽振りが良い印象。団体の客を誘導するようにして、若い客をセレブの人たちに紹介するような雰囲気を見かけた。それがセミナーの一環だったのかな」とコメントを残した。
警視庁はこれまでに、グループの一員だったとして谷口容疑者の元妻の梨恵容疑者(45)と息子2人を詐欺容疑で逮捕している。

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