千葉県警の女性キャラが性的な抗議対象に 制作会社女性代表が反論
今年7月、千葉県警は交通安全の啓発動画をyoutube上で公開したが、「全国フェミニスト議員連盟」となる団体から性的な対象物とし性的なイメージを喚起しすぎると抗議を受け9月10日、動画は削除された。
そんな警察と抗議団体とのやりとりに、ネットユーザーの間で騒動が起こった。
本動画内では千葉県松戸市のご当地キャラクターである女の子VTuberで、戸定梨香(とじょうりんか)が登場し、交通安全の啓発活動を行う。
しかし、この動画の内容に対し、全国フェミニスト議員連盟となる団体から以下の通りの抗議が入った。
「セーラー服のような上衣で、スカート丈は短く、お腹やへそを出すなどだけでなく、体を動かす度に大きな胸が揺れています。
下は極端に短いスカートを履き、女子中学生のイメージを強め、性的対象物としての悪影響を及ぼすものだ」として抗議を行っている。
これらの抗議を受け、警察側で動画を削除し、当初の目的として誤った認識を持たせることにつながる可能性があるとしてコメントした。
また、これらの騒動を受け、戸定梨香をプロデュースしてる芸能事務所、Art Stone Entertainmentの板倉節子代表は、今まで活動を行った1年半の間で一度もこのような抗議を受けたこともなく、抗議をされた団体からの謝罪要求についても、「何に対する誰への謝罪なのか分からない」と疑問を呈しており、さらには「この制作に携わった者は全て女性であり、性的対象物として描写したことも、強調することもない」と強く反論している。
さらに同代表は、抗議をした全国フェミニスト議員連盟団体の代表の一人は松戸市議の女性であり、松戸を女性が活躍できる場にしたいという想いは一緒のはずだと抗議に嘆いている様子だ。
具体的にスカートの丈やへそ出しについては主観的すぎて抗議するのであれば直接話し合いなどの対策もできたと綴った。
削除を行った動画については現在、同社が独自に公開しており、今回の件については賛否両論あるが、ほとんどの反応では賛意だったそうで、Art Stone Entertainment社をする有志からは同団体あてに抗議文を送っている。
板倉代表は今後も変わらず松戸市のPR活動で戸定梨香のPR活動自体は続けていくとし、戸定梨香のポスターも作り、松戸市内の全駅に貼っていきたいと締めた。
近年、公的機関による萌え系美少女キャラに対しての同様の批判が相次ぎ、起用の取り消しになるケースは少なくなかった。
本件を通し、言論、表現の自由をめぐる論争が巻き起こった。
全国フェミニスト議員連盟とは!?
松戸警察署に抗議を入れ、今回一連の騒動を起こした全国フェミニスト議員連盟はフェミニズムに根付いた政治と市民の活動をサポートすることを目的に1992年、全国の市民や議員によって作られた団体とされ、現在の会員は約200名の構成になっている。
また、同連盟は三井マリ子東京都議会議員、中嶋里美所沢市議会議員らを呼びかけ人として結成され、現在の代表には八王子市義や松戸市議、埼玉県川越市義の女性がいる。
同連盟の活動目的
同連盟が掲げる活動目標には具体的に女性差別をなくして、政治分野を始めあらゆる活動において女性が男性と平等に活躍できる場を増やすこととされており、さらに女性ゼロ会議をなくすため、候補者の発掘や支援、ネットワーク作りに取り組むとされている。
女性の政治参画を進める団体との連携や国内外への情報収集および発信を行い、男女平等政策として、あらゆる政策決定の場に男女がそれぞれ50%となるように働きかけていくこととしている。
戸定梨香(とじょうりんか)ってなに者!?
戸定梨香はArt Stone Entertainmentが運営するマルチチャンネルネットワーク、通称「MCN」の「VASE」に所属し、千葉県松戸市のPR活動を行う、ご当地バーチャルキャラクターだ。
活動は2020年4月から開始し、松戸市の魅力を動画でPRしたり、各施設の大型スクリーンを通し、地元の住民と交流を行うなどしてきた。
さらに、2021年7月16日より、松戸市の警察と一緒に交通安全の啓発活動を行ってきた。
毎朝、ショートムービーの「まいにちりんか」を投稿したり、歌や踊り、ゲームプレー動画、さらには3Dモデルの活動も行っていた。
交通安全啓発活動に関して
今回の全国フェミニスト議員連盟からの抗議や投稿動画の削除といった一連の騒動では、元よりもっと若い世代にも交通安全に関心を持ってもらいたいという意図で開始された。
ネット上には同連盟団体を批判するように「男女不平等」「表現の自由の侵害」など多くの批判が相次いでいる。
なお、今回の騒動を受けて戸定梨香のTwitterアカウントのフォロワーが7日間で76%も増加した。