トラス首相辞任「レタスの賞味期限より短かった」
トラス首相の政治生命は、レタスの賞味期限より短かった。
イギリスの大衆紙がトラス首相VSレタスの「賞味期限」勝負を行ったところ、レタスが勝利した。
14日大衆紙デーリー・スター(Daily Star)は、レタスにかつらと目をつけてライブ配信を開始。
そしてトラス氏が首相として留まり、レタスの賞味期限である10日間を持ちこたえられるかカウントダウンをして見届けるものであった。
その結果、配信して7日目にトラス氏の辞意が発表された。
同誌ーはトラス氏の辞任発表直後に、「レタスが正式にリズ・トラス首相より長生きし、勝利した。
レタス万歳」とツイートした。
この配信の引き金となったのは、英誌エコノミストがトラス氏がの経済政策が失敗して権威を失うまでの期間が7日間で、「レタスの賞味期限と同じ」と書いたことだった。

最短命の背後には?
20日6週間前にジョンソン前首相の後任に就いたばかりのトラス首相が辞意を表明した。
財源確保がない減税計画で起きた経済危機と、今後大きな力をふるえなくなった保守党がどう政策をまとめられるかが課題。
短期間ではあったが、トラス首相が残した影響は大きい。
提案した急進的な経済政策は、通貨ポンドをこの数十年内で最安水準に急落させた。
この混乱で国債の利率は上がり、国民の年金基金を危機にさらした。
利率の上昇によって住宅ローンの返済額は増え、貸し手は市場から商品を撤収し、住宅購入を望む人々は希望を失った。

ロンドンから様々な声
トラス首相が辞任を発表したことについて、ロンドンの街で様々な声があがった。
保守党を支持する20代の女性
「トラス首相は正しく仕事をできていなかった。
国民の利益を考えて行動する人が必要。
ジョンソン前首相が好きだった。
首相の座に戻りたければ、いいのではないか」
50代の男性
「トラス首相の辞任表明は残念だがこうなると予想していたので、この後よい方向に向かうことを期待している。
私たちには国をまとめられるリーダーが必要。
今後この嵐を乗りこえ、国をよくすることを最優先させるべき」
最大野党党首・労働党スターマー党首
「保守党は、政権を担う権限がないことを示している。
この数年、保守党は記録的に高い税率を設定し、我々の制度を破壊し、“生活費の危機”を生み出した。
今、国民は住宅ローンで毎月500ポンドの追加負担を強いられている。
保守党が与えたダメージは、修復するのに何年もかかるだろう。
上層部のリーダーたちが変わるだけではこの惨状には対応できない。総選挙が必要だ」
今週の終わりまでに新首相が誕生する。
その人物は再び保守党の議員と付随する党員によって選ばれ、一般市民の意見は反映されない。
この状況に野党労働党は激怒し、総選挙を要求している。
しかし、総選挙は行われない可能性が高い。
選挙日は政権が決められるため、保守党があえて不利なことはしないだろう。
2カ月で2人目となる首相を選ぶことになるが迅速に行う予定で、選挙管理者は今週末までに全てを終える方向で進んでいる。
新首相が低迷するイギリスを力強く導くことに期待したい。

