児童らがワクチン接種後死亡と誤情報「隠蔽するな」と学校に抗議殺到
新型コロナワクチンにより、特定の小学校などで児童らが死亡したとの誤情報がSNS上で拡散され、その投稿を信じた人たちから学校側に「隠蔽するな」「なぜ公表しないのか」などの多くの抗議や批判の電話が相次いだが、学校側ではこれらは事実ではないと強く否定し続けている。
誤情報の中には「若いのに亡くなった、学校側が隠している」など、10月に入りSNS上で拡散された。
ワクチン接種に反対している議員や地域の住民などから、「知らない人に伝えて」や「信頼できる地元の人の話」など拡散に拍車がかかった。
一体、このSNS上で拡散された誤った情報はどこから流れたのか。
今回の誤情報が流れたきっかけは兵庫県内の男性開業医で、学校側から投稿の削除を求める連絡をしたが、男が応じなかったため、学校側でサイト上に「そのようなこと事実は一切ない」と否定した。
既に男性時の投稿は削除されたとみられるが、SNS上で流れた誤情報を信じ込んだ人は少なくなく、電話やメールでの相次ぐ批判や苦情から兵庫県内の私立高校などでは業務に支障が出たという。
10代のワクチン接種が進んでいる中、ワクチンの接種後の副反応に対する不安が高まりやこうしたデマや誤情報の拡散が広がっているとみており、ワクチン接種に関する正確な情報を目指す活動をしている千葉大病院の黒川智哉医師からは「接種するかどうかは保護者と子どもが話し合いの中で納得して決めるべきで、不確かな情報には惑わされないでほしい」としている。
ワクチン接種状況
政府のまとめでは10月5日時点で、国内の新型コロナウイルスの接種回数は1億6876万2404回に上り、2回接種を終えた人が6割を突破したとした。
接種のスタートこそ遅れ、オリンピック開催期間もあり国内では多くの感染者数がみられた日本ですが、そのあとの2回目のワクチン接種率では米国を抜き、先進国内でが最も早かった英国に並びました。
また、10月11日に政府が公表した情報によると国内で少なくとも1回新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は9316万9823人とし、全人口の73.6%となり、2回目の接種を完了した人は8146万2027人で全人口の64.3%となった。
各地でワクチン接種後の副反応などの症状がみられる中、今後もワクチンの接種は進んでいくと見られ、政府は10月から11月の早い時期には希望者全員のワクチン接種を完了する方針を示しているとされています。
接種後ワクチンの副反応

接種後のワクチンによる副反応においても、2月から接種が開始されたファイザー製では0.02%、5月からの接種が開始されたモデルナ性では0.01%としている。8月からのアストラゼネカに関しても2万9025回の接種が完了しているが、これまでのところ副反応疑いの報告はされていないとしている。
また、厚労省でもいずれのワクチンも安全性における重大な危険性はないとしている。
なお、副反応においてアナフィラキシーが疑われた報告が最も多かったのはファイザー製の2536件でモデルナ性は389件でしたが、さらにこれらの中から国際分類上、アナフィラキシーに該当されたのはファイザー製475件、モデルナ性が34件でした。
しかし、いずれのワクチンの症例も治療によって回復している。
心筋炎、心膜炎などの発症例は9月12日まででファイザー製129件、モデルナ51件とされています。
また接種後、死亡した例は9月12日時点で両ワクチン合わせ、1190件とされており、厚労省によると現時点でのワクチンとの因果関係についてはないとしている。
各メディアでも誤情報取締へ

こうした誤情報は日本国内だけでなく世界でもSNS経由で拡散されることで、多くの人の不安をあおったり各関係者の業務が妨害されるなどの障害が生まれている。
そうした中で、米Google傘下のYouTubeでは、保険当局が承認しているワクチンの危険性や機能性などについて否定するような動画の投稿を一切禁止するとしている。
昨年、10月にも同様に新型コロナウイルス関連の誤情報を禁止しており、今回改めてその範囲を拡大することとした。
Youtubeは昨年から、新型コロナワクチンのポリシーに違反したとして13万本以上の動画を削除していたとされている。
新ポリシーはインフルエンザ、HPVワクチン、はしかやおたふく風邪、風疹などのワクチンに関する誤情報なども禁止するとしている。
例えば風疹用のワクチンが自閉症やインフルエンザの予防接種が不妊を引き起こすなどを根拠もなく主張するような動画は許可されておらず、これらの動画または関連する動画は全て削除される。
しかし、個人的な経験としてワクチンの体験談を共有する動画は許可されている。
また、医療専門家の意見などが投稿されている動画はポリシーに違反したものでも許可するとされている。