続く食品の値上げラッシュに消費者の悲鳴
10月以降に値上げした食品や飲料は7,000品目を超える!
円安の影響や原材料の価格高騰などの影響で、私達の身近な生活に直結する値上げが止まらない。
『帝国データバンク』の調査によると、食品や飲料だけでも11月に値上がりした商品は833品目になるという結果が出ている。
値上げラッシュとなった10月は、なんと6,699品目だったというから驚きだ。
今年に入ってから値上げした商品は、再値上げしたものも含めると累計2万743品目にもなるという。
さらなる家計の負担となることは必至で、消費者は悲鳴を上げている。
11月から値上がりした主な品目は、調味料(焼き肉のたれなど)が338品目でトップ。
続いて乳製品(牛乳、ヨーグルト、粉ミルクなど)が318品目、3番目に加工食品(ジャム類、離乳食など)が128品目。
さらに、来年値上げする予定の食品や飲料は、今の時点で2,000品目を超えており、今後増えていくとみられている。
『帝国データバンク』によると、来年2月から3月に相次いで値上げする可能性があるという。
値上げに対しては様々な声が上がっているが、特に牛乳などの乳製品の値上げが厳しいという声が多い。
「牛乳を飲む量を少しでも減らすように努力している」「毎日乳製品を食べたり飲んだりしているので、値上げは困る」などの声が聞かれている。
一人暮らしをしている人や、仕事が忙しい人、毎日弁当作りをしている人にとっては、冷凍食品の値上げも厳しいだろう。
日常的に使う頻度が高い調味料の値上げも、家計に与える影響は大きい。
スーパーのチラシを見比べ、少しでも安いところに行って買うなどの努力をしている人も多い。
もちろん、飲食店にも影響は大きい。
原材料の値上げに伴い、メニューの価格を値上げしたという店や、客数が減少しているという店も出ている。
特に牛乳はクリスマス間近のタイミングでの値上げに、メニューの見直しなどで乗り切ろうとする店もあるようだ。
一方、酪農家からは牛乳が値上げしても、円安などの影響で経営状況は引き続き厳しいとして、消費者に値上げに対する理解を求めている。

自動販売機の飲料の値上げに驚きと嘆きの声
値上げの影響は、飲料の自動販売機にも出ている。
10月から大手の飲料品販売各社が、円安や原材料や人件費の高騰などを理由にお茶や炭酸飲料などを値上げし、自動販売機では1本190円のコーヒーや180円のコーラが販売されている。
値上げされたのは10〜20円だが、毎日のように自販機で飲料を購入していた人にとっては、大打撃。
自販機ではもう買わないようにしたという人も多くいるようだ。
スマホの電子決済にしている人は値段を確かめずに購入し、後でびっくりしたという人もいる。
値上げのニュースは目にしていても、値上げされた商品全てを把握するのは難しく、最近は電子決済も増えているため、値上げされたことに気付かなかったり、実感がなかったりする人が案外多い。
自販機の値上げをきっかけに水筒やマイボトルを持参するようにしているという人もいるが、飲み切ってしまうと結局買わざるを得ないという声もある。
一つひとつはわずかな値上げでも品数が多く、1カ月で換算するとかなりの支出増になる。

今後の見通しと家庭でできる対策
『帝国データバンク』は、8月には企業に値上げの動向についてのアンケート調査も実施している。
アンケート結果によると有効回答の企業824社のうち、2022年1~8月の間に値上げを行った回数は、0回が33.5%、1回は40.7%、2回14.9%、3回5.2%、4回1.9%、5回以上が3.8%となっている。
わずか8カ月の間に2回以上値上げを実施した企業が25%以上に上る。
そして、3.8%の企業は5回以上も値上げを行っているという。
10、11月も値上げラッシュだったため、その後はさらに値上げを実施した回数が増えている可能性は大きい。
値上げの理由については、
“原材料の価格が高騰していること”
“急激に為替変動が起こったこと”
“ロシアとウクライナ情勢の緊迫化”を上げている企業が多かった。
専門家によると、複数回値上げが行われている背景には、
①コロナ禍による価格の高騰、
②ロシアのウクライナ進行による価格の高騰、
③円安による価格の高騰の3つの影響が大きいという。
さらに、世界的に燃料費も高騰しており、電気料金の値上げも影響している。
大きく値上げをすれば売り上げの減少に直結する恐れがあるためギリギリまで我慢したり、小さな値上げ幅で様子を見ていたりするために値上げを段階的に行い、複数回になってしまうということのようだ。
ただ、10月をピークに、今後は値上げ品目数は徐々に減少していくという見方もあり、「このまま値上げが続くのでは?」という心配をする必要はあまりない可能性もある。
しかし、燃料費に連動して料金が変動する電気やガス料金は今後値下がりする可能性はあるが、企業が値上げした職員や飲料が値下げになる可能性は低い。
各家庭でできる値上げに対する対策としては、
①保険の見直し、
②電気料金の見直し、
③食料品の見直しの3つが挙げられる。
必要のない保険に入っていないか、電気料金はお得なプランに入っているか、食品ロスを減らす取り組みをしているか、この3つを見直すだけでもかなり家計に与える影響は大きい。
これから冬を迎え、電気やガス料金、食料品など出費はかさむ一方だが、各自、各家庭で工夫をし、この厳しい時代を何とか乗り切る努力が求められている。
