今年の夏は暑かった。クーラーがあるのになぜ?

「暑さで勉強に集中できない…」悲痛の叫び

沖縄の高校生がSNSで悲痛な叫びを発信。

例年の猛暑に続き、節電や予算削減の影響なのか。

教室にクーラーが設置させているにも関わらず、暑さが原因で倒れる学生がいるという。

特に梅雨時期はクーラーをつけていても湿度が高いため暑く、さらにコロナの影響でマスクをつける必要があり、息苦しいと訴えていた。

この状況に先生たちは、「暑いがみんなで我慢しよう!」といった呼びかけをしており、我慢するしかない状況だと説明している。

実際に今も暑さのため、勉強に集中できていないのだとか。

SNSでのアンケートを呼びかけ

そこで、男子学生は自身のSNSで同世代の学生たちへ、空調問題についてアンケートを呼び掛けた。

その回答の中には「体育の後には暑さで熱中症気味になり、体調が悪くなる」「汗で教科書がくっついて煩わしい。」といった切実な訴えが多い。

女子生徒からは「汗で下着が透けて不愉快」といった声も寄せられている。

2016年に通知されたクーラーの稼働方針

県教育委員会が2016年に県立高校へ通知したクーラー稼働方針は次の通りだ。

  • 室温27度以下では原則運転しない
  • 光熱水費の予算が超過しないよう教職員・生徒一体となって削減すること

この内容は2016年以降変更されておらず、昨今の節電の影響などで稼働状況が厳しくなったわけではない。

ではなぜクーラーが設置されているにも関わらず、暑さで勉強に集中できない・倒れるといった状況になってしまったのか。

新型コロナウイルスの影響が大きい?

男子学生のアンケート内では自由記述できる箇所がある。

その中で暑さを訴える声が800件以上寄せられたのだ。

その背景には猛威をふるっている「新型コロナウイルス」の影響が大きいという。

コロナの影響で光熱水費の予算が削減・電気代の高騰、そしてこまめな換気など学校を取り巻く環境に変化が起きているのだ。

コロナ流行以来、こまめな換気が当たり前になっている。

そのため28度の室温でクーラーを稼働しても、換気によりクーラーを止めざる負えない状況であったり、換気により室内の湿度上昇で蒸し暑くなったりしてしまうのだ。

そこに加えマスク着用。

「27度以下でも暑すぎる。むしむししている日はなおさら」「汗や湿気でマスクが張り付いて勉強に集中できない」といった声も多く、暑さだけではなく湿度上昇で蒸し暑さも感じているようだ。

電気代の高騰。増えぬ予算

クーラーの稼働は、決まった光熱水費の予算内に収まるよう、事務長が稼働を決めるという。

稼働の基本は「室温28度以上」。湿度も考慮するが、県内の高校ではこの基本方針にしたがいクーラーの稼働を決めているようだ。

コロナの影響で換気の回数が増え、それに伴い電気代が上がっていると話している。さらにウクライナ戦争によってまだまだ電気料の値上げが続くのではないかと懸念。

しかし光熱水費の予算は増えないため、教職員もジレンマを抱えていると語っていた。

教職員の葛藤

教職員たちは日々生徒からの「クーラーをつけて欲しい」の声と、節約したい管理職との板挟みになっているという。

「クーラーをつけないことで体調を崩す子を絶対に出してはいけない」という思いは教職員全員同じだ。

しかし学校側が予算問題で頭をかかえているのも事実であるため、ジレンマを抱えているのだ。

そこで教職員たちは少しでも涼しくしたいと工夫している。

ある高校では窓に遮熱シートをはり、教室内の温度の上昇防止。また日が当たる教室のベランダには、日よけを設置している学校もあった。

教育庁に予算確保を要望

危機感を覚えた高校側は、教育庁に予算の確保を要望。

「この暑い沖縄でクーラーは必需品。学習するうえで最低限の権利である」と訴えたのだ。

教育庁では昨年、光熱水費の当初予算を超えた学校へ追加予算を出している。

本年度も予算を超えた学校へは追加予算を準備しているという。

この訴えに対して教育庁の担当者は、「予算を理由にクーラーの使用制限がないように対策を考えていく」と答えた。

この問題にSNSでは…

学校のクーラー問題はなにも沖縄だけではない。

「生徒に温度設定の権限はまるでなし。刑務所みたいだ」「換気が必要だからクーラーをつけても教室が涼しく感じられない」といった声が多くあがっている。

また「学校は我慢大会をする場所ではなく、勉強をするところ。

しかしその勉強に集中できない環境は是正すべきなのではないか。」「気持ちのいい環境で勉強させてあげて」といった環境の見直しを主張する声も少なくない。

猛暑が続く昨今。そして高騰する電気代。

国はこれからどのような対策を講じていくのか、多くの国民が期待している。

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