WBC侍ジャパン挑む準々決勝 イタリア戦に大谷先発へ
WBCワールドベースボールクラシック1次ラウンド東京プールを4戦全勝の首位で突破した日本代表侍ジャパン。
3月16日の準々決勝でプールAを2位で通過したイタリア代表と対戦する。
準々決勝からはノックアウトラウンドとなり、準決勝の地アメリカに渡るために負けられない戦いが始まる。

大谷「一人ひとり、1回1回行けるところまで」
侍ジャパンは初戦の中国戦を8-1、韓国戦を13-4、チェコ戦を10-2、オーストラリア戦を7-1と、危なげない試合運びで4連勝した。
先発投手陣は韓国戦に登板したダルビッシュ有(パドレス)が本塁打を浴びるなど、シーズン最初の公式戦でまだ本調子とはいかなかったが、36歳のベテランメジャーリーガーは次の登板では状態を上げてくるだろう。
中国戦の大谷翔平(エンゼルス)、チェコ戦の佐々木朗希(ロッテ)、オーストラリア戦の山本由伸(オリックス)は、ほぼ完璧な投球を見せた。
準々決勝のイタリア戦について、前日会見で栗山英樹監督は
「ここから違う戦いが始まると思っています。明日の大切な試合、大谷翔平でいきます」と大谷の先発を明言。
大谷も「いつも通り昨日ブルペンに入り今日キャッチボールをして、普段通り入れるんではないかなと思います」と自信をのぞかせた。
準々決勝からは球数制限が80球となる。
1次ラウンドは65球だったため、先発投手は4回くらいを投げて二番手に託す流れが多かったが、準々決勝は5、6回まで投げることも視野に入ってくる。
大谷は「僕だけじゃなくてダルビッシュさん、今永さんもそうですし、誰が投げてもいい投手陣。
球数は決まっていますけど一人一人1回1回いけるところまでいければ十分つないで勝てるんじゃないかと思う」と語った。
栗山監督は準々決勝を最初の山場ととらえ、投手陣は総動員することを想定している。
1次ラウンドは第2先発として抜群の投球を披露した今永昇太(DeNA)はもちろん、ダルビッシュや佐々木、山本もスタンバイすることがあるかもしれない。

栗林の代役は「吹田の主婦」山崎
一つ、気がかりなのは抑えの栗林良吏(広島)が腰の張りを訴えて離脱したことだ。
1次ラウンドで栗林は登板機会がなかったが、2021年の東京オリンピックでは全5試合に救援して安定した投球を見せ、金メダル獲得に大きく貢献していただけに、離脱は残念。
栗林の代わりに山崎颯一郎(オリックス)が追加招集された。
山崎は石川県出身で、敦賀気比高校(福井)から2016年のドラフト会議でオリックスの6位指名を受けて入団。
1軍デビューを果たしたのは2021年で、2022年と合わせてもプロでの登板は24試合しかない。
それでも、190センチの長身から投げる最速160キロのストレートは威力があり、フォーク、ナックルカーブ、カットボールを織り交ぜる投球で2022年の日本シリーズで大活躍し、日本一となった。
その活躍が認められて昨年11月の強化試合で日本代表入り。
当初のWBCのメンバー30人には入らなかったが、WBC開幕前のオリックスとの強化試合では、日本代表のサポートメンバーとして登板していた。
山崎はオリックスではファンフェスタで料理対決の審査員として、上半身裸にエプロン、三角巾のようなバンダナをつけた「吹田の主婦」というキャラクターで肉体美を披露して人気を集めるなど、お茶目な面もある。
WBCでは昨年の日本シリーズのように宇田川優希と共に剛球で相手打線をねじ伏せる投球が期待される。
1次ラウンドで右手小指を骨折した源田壮亮(西武)が打撃練習を再開するなど、好材料もある。

栗山監督「甲子園、夏の大会の思いでいく」
準々決勝に向けて栗山監督は「僕は甲子園に出られなかったけど、日本の風物詩、文化だと思っている甲子園。
夏の大会の思いでいくだけ。
自分のことより、周りのために全力で勝ちに行く戦い」と、自身がキャスターとして取材し、思い入れも強い夏の甲子園をイメージし、一戦必勝を誓った。
2009年以来の世界一へ、頂まであと3つの勝利をつかみたい。
