脳のバグ!?ジャンクフードを食べたくて仕方がなくなるのはなぜ?
ポテトチップスをついつい食べてしまうという話をしていたら、心理学を研究していた友人に「ジャンクフードは脳がそうなるように作られている」と言われたことがある。
ジャンクフードを食べたくなるのは気分の問題程度に思っていたが、脳に作用することが研究で明らかになった。

「こってり」「甘い」を摂取し続けると脳がドーパミンを発するようになる!?
米イェール大学(Yale University)と独マックス・プランク代謝研究所(MPI for Metabolism Research)のチームが調査した。
その結果、私たちの脳は高脂肪・高糖分の食品を食べると、以後それを欲するように神経回路が再配線されるというのだ。
49名の健康な男女に実験開始。
2つのグループに分け、一方は高脂肪・高糖分のヨーグルトを1日2回、8週間摂取する。
もう一方は低脂肪・低糖分のヨーグルトを摂取。
それ以外は普段通りの食生活を続けた。
そして8週間後、全員に高脂肪・高糖分のミルクセーキを飲みながら、MRIで脳をスキャンした。
その結果、なんと高脂肪・高糖分のヨーグルトを食べ続けたグループのみに、脳内のドーパミン系が活性化していたのだ。
これは、脳が無意識のうちに「こってり」を好むようになったことを意味する。
逆に、低脂肪・低糖分のグループにはこのような結果は見られなかった。
「こってり」「甘い」がやめられないように洗脳されるのか!?
そして全員に低脂肪のプリンと低糖分のリンゴジュースを摂り、嗜好性を評価してもらった。
結果、高脂肪・高糖分のヨーグルトを食べたグループは、「物足りない」と感じた。
低脂肪・低糖分のグループは実験前と評価は変わらなかった。
これは「こってり」「甘い」に洗脳されているのか…!?
私たちは、高脂肪・高糖分の食品を食べると脳がその嗜好性を学習する。
そして、食品を見るだけで神経回路が再配線されてドーパミンが活性化する。
それにより、無意識に「こってり」「甘い」を欲し、「あっさり」に興味がうせるのだ。

脳のバグに気を付けて!
実験中の参加者の体重や血圧、血糖値、コレステロール値は変わらなかった。
しかし、「こってり」「甘い」を続けると、体重が増え、健康を害するようになるのは一目瞭然。
親が子どもに薄味で健康的なものを食べさせるのは理にかなったことだ。
子どもだけでなく、私たちも脳を「ジャンクへ覚醒」させてはならない。
どうしても食べたくなるが、続けて欲していると気付いたときは、「脳の配線を変化させてしまう」「脳のバグ」と意識したい。
